創業から受継ぐ想い

創業から受継ぐ想い
創業から受継ぐ想い

昭和22年4月1日創業以来、76年の長きに亘り諸先輩方が築き上げた知識と技術は、歴史を積み重ね、現在へと途切れることなく続いています。職人の想いは当社にしかない大切な寶物であり、これからも先人の想いを忘れることなく、いつの時代にも地域に必要な企業として存在し続けます。

川島印刷は昭和22年(1947年)に創業し、2024年で77年目を迎えました。

創業者は川島三之丞氏。10歳から丁稚奉公“でっちぼうこう“(※年少から下働きとして勤めること)で印刷の仕事に従事していました。戦前にご縁があって川島家に婿入りし、米沢に生活を構えました。もともと家族経営で印刷の仕事をしていましたが、戦時中は仕事もままならず、細々と続けていたそうです。

戦後、経済の復興が見え始めた時に、「印刷は人の文明が進む限り必ず必要な仕事だ」と、印刷業の発展に期待を込めて、昭和22年4月に川島印刷所を創業しました。創業時、米沢市内では後発の印刷会社でしたから、「名刺は30分」のキャッチフレーズで懸命にお客様確保に走りまわったそうです。

家族経営からスタートして、少しずつ社員が増えていき昭和40年のころには、社員が50人ほどになり、米沢市内ではまずまず大きな会社となっていました。世の中は、高度経済成長期。社業の拡大に合わせて、社員が増え、設備を増やし、いよいよ社屋も手狭になったため、昭和42年に30坪の工場から、約300坪の工場に移転しました。印刷業界の技術革新も大きく発展して、常に新しい技術を導入して仕事の対応力を強化していきました。この頃は、情報を伝える手段として、印刷物が重要な役割を担ってきましたので、納期や大量の印刷を可能にする対応力が求められていた時代でした。

平成2年には、新しい印刷機や製本設備を揃えて、現在の社屋に移転しました。この時に、実質経営は二代目社長の川島良博氏に委ねましたが、1代でここまで大きく社業を発展させた功績が、現在の私たちの礎となっています。

当社は社是を「腕是寶也(うでこれたからなり)」と掲げています。これは、三之丞氏が恩師から頂き、生涯の教訓としていた言葉です。幼少期にはたった13ヶ月しか学校に行くことができず、頼れるのは自分の腕だけだったため、積み上げた印刷の技術を信じ、大切な宝として胸に刻んでいたのだと思います。晩年に語った、「活字(印刷の字型)がなければ今の自分はなかった」との言葉の通り、印刷一筋の人生を送ってこられました。

印刷は、「後世に歴史文化の記録を残すこと」「必要な情報を世の中に伝えること」「文字で人に想いを伝えること」と、社会にとって大事な役割であるということを誇りに持ち、今の私たちにバトンを繋いでくれたのだと思います。創業から今までつないできてくださった先代や先輩方に改めて感謝をし、これからもそのバトンを繋ぎ続けていきたいと思います。